16.頼尊又四郎稲荷神社
(上立町バス停より徒歩約五分)

 梅の小路を西方へ行き黒岡川にかかる割場橋を渡った右側に又四郎稲荷大明神の祠が建てられ、乙姫龍王神とともに祀ってある。第四代篠山城主形原松平康信の甥に、松平又四郎という青年がいた。身を寄せている藩主松平家を笠に着て、奔放無頼の生活を送るようになった。康信は、直接間接に意見をしても改まらないので、不憫ながら又四郎を討ち果たそうと決意し、刺客たちに命じて暗殺させたのである。その後、城下の町民たちが、若くして惨死した又四郎の剛勇闊達さと溢れるような生気を称え、稲荷神と習合し、篠山城の鬼門に祀り、除災と繁栄を祈ったものであろう。そして、江戸両国の回向院広場での上覧大相撲で大活躍し、ときの老中・篠山城主青山忠裕公を大喜びさせたという、王地山平左衛門ら一行八名の力士の説話に、頼尊又四郎の名前で、登場している。勝利守護と家内安全・商売繁盛・合格成就の神として信仰されている。