61 薬王山西光寺(曹洞宗)と仏像 (畑市)
 井ノ上バス停から徒歩約12分

 バス停を200メートルばかり東に行って、標識に従って右折し、のしかかるように迫る弥十郎ヶ岳に向かって畑市の集落を進むと、山麓に西光寺がある。もとは小野奥谷村の茶屋峠にあったのを移したとも言われる。
 『篠山領地志』によると、天平3年(731)、行基が開創して、自ら刻んだ薬師如来像を本尊とし、ほかに五仏を置いた。中世の動乱期に建物はすべて焼失したが、本尊は難を逃れた。そこで、僧坊を一宇建て奉安したとされる。
 その後、元禄年間(1688〜1704)洞光寺二十一世万国春輝和尚が復興したという。
 もとの市場跡に、立派な西光寺仏像収蔵庫が建っている。当時の仏像は、廃四十九院か廃石高山高窟寺にあったともいう。ご本尊の木造薬師如来座像は、頭と胴は桂の一木作りで、膝と両腕は寄木となっており、円満な重厚さがある。脇侍の四天王もあり、5体とも平安期の貴重な作である。木造薬師如来座像、木造持国天立像、木造増長天立像、木造多聞天立像はそれぞれ国の重要文化財に指定され、木造広目天立像は町指定文化財である。

「丹波篠山五十三次ガイド」より