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●なぜぼたん鍋と呼ばれるのでしょう


 猪肉を煮込むとあぶらみがちぢれてぼたんの花のようになるという説。また、大皿にぼたんの花を形どって並べると鮮やかな肉のいろどりが牡丹の花のようであるということからという説があります。
 個人的な意見ですが、鹿肉はもみじ、イノシシはぼたんとくれば、花札の絵柄と関係するのではないか。と思ったのですが、猪は萩で、牡丹は蝶と読者から指摘がありました。ということで私案は却下されました。
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猪のイラスト



●ぼたん鍋の起こり


 馬や牛は存在しなかった縄文、弥生時代の頃は、イノシシは食料源として貴重なものであり、その後の古事記や日本書紀にも記述が見られます。
 仏教が日本に伝来するとその影響で肉食が禁じられていましたが、実際にはかなり市中で獣肉が出回っていました。中でもイノシシの肉は美味とされ、江戸時代でも「山鯨」と称して食べ続けました。このことは古典落語の「池田のシシ買い」でもわかります。
 明治時代、肉食禁止が解かれると、兵庫県篠山町でみそ仕立てのぼたん鍋が生まれ、さらに食用として広く親しまれるようになりました。
篠山に陸軍歩兵部隊第70連隊が駐屯すると、彼らは訓練と称して捕獲したイノシシの肉をみそ汁にして食べ、さらにアレンジしたものが「ぼたん鍋」の起源になっているといわれています。篠山で過ごした彼らは全国にぼたん鍋の存在とその中でも美味しいのは丹波篠山産ということを広めたといわれています。
 辛めの丹波みそによく調和して普及に拍車がかかりました。
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●ぼたん鍋といえばなぜ篠山なのでしょう


 イノシシは北海道と東北の一部の県をのぞいてほとんど日本全国の山々に生息しており、捕獲量においても九州などでは丹波よりはるかに多くとられています。しかし、なぜ篠山のイノシシだけがこれほど有名なのでしょうか。
 篠山と静岡の天城山、岐阜県の郡上とが日本の3大名産地といわれていますが、中でも丹波篠山産は絶品美味のほまれが高いのです。

 その一つの原因は、ぼたん鍋の起源(前述)にあります。篠山で1900年代初頭生まれた「ぼたん鍋」は軍人たちによって丹波のシシは美味いという口コミを付けて、全国に広められたことによります。

 次に猪が育った環境にあります。山々は高くなくてもよく、岩山や起伏に富んだ険しい形である方が良質の猪は育つといわれています。雑木林や竹やぶを体をぶつけながら走る回ることでたくましく育ちます。専門家は「猪肉の良し悪しを見分けるのは爪の摩滅度を見る」といいます。事実、篠山の山々を走り抜いたいのししの爪は例外なく丸くなっています。

 3つ目には食べ物が要因でしょう。
猪は雑食性で大食漢。篠山は昼夜の温度差が大きく、この気候が篠山の数々の野の幸、山の幸を作ってきました。秋にとれた猪肉は木の実の香りと味がしみこんで、実に美味いといわれます。豊富な木の実に加え、栗、松茸、山の芋、黒大豆、コシヒカリなどをたらふく食べる当代随一の美食家であり、美味くないはずがないのです。
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●デカンショ節と阿波踊り


 丹波篠山のデカンショ節と阿波踊りとはイノシシと篠山ということで意外な接点がありました。
 デカンショ節には

「♪雪がチラチラ丹波の宿に ししが飛び込むぼたん鍋♪」

という一節があります。しんしんと冷え込む篠山で浴衣姿の旅人があたたかいぼたん鍋をつつく姿を連想させるこの節は、数あるデカンショの歌詞の中でも最高傑作ではないでしょうか。
 イノシシがユーモアに登場する民謡はデカンショだけではありません。あの阿波踊りにも登場します。

「♪ささやまとおれば笹ばかり。イノシシ豆喰てホイホイ♪」

 「ささやま」「豆」(黒豆)も出てくることから一般にはこれは丹波篠山のことを唄ったものと想像されます。なぜ阿波徳島の民謡に「丹波篠山」が出てくるのでしょうか。
 その昔徳島を治めたのは蜂須賀小六で有名な蜂須賀氏でありました。実は篠山藩の家老も代々蜂須賀氏であったのです。1988年に書かれた「徳島市政だより」に詳しく調べられています。蜂須賀氏はもともと尾張にありましたが、宗家が篠山に分家が徳島へと分かれることになりました。そのあたりのことも、「徳島市政だより」に詳しく記述されていますが、蜂須賀氏は数奇な運命をたどったことがわかります。
 阿波踊りの起源についても諸説ありますが、昔からある地域の民謡をベースにときの権力者蜂須賀氏の影響も加わって形成されたと見るべきでしょう。
 いずれにせよ徳島の蜂須賀氏が遠く篠山を想って唄ったものと思われます。
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●シシ食ったむくい?


 世の中には「シシ食った報いで・・・・・」とか「シシ食えば古傷がうずく」など肉食を禁じた仏教思想の因果応報に基づくようなことわざがあります。
 これは本来「シシ食うてぬくい」が変化したものではないかといわれています。関西弁で「ぬくい」とはあたたかいの意味。猪の肉は身体をぽかぽかと暖かくします。それが「よくないことをして悪い結果に終わるとなったのは、猪鍋好きが自分たちの楽しみを奪われたくないと思ってのことからという説もあるぐらいです。彼岸花は家に持ち帰ると火事になるという話もありますが、これも飢饉の際の非常食として植えた彼岸花を子どもたちにむやみにとらせないためだといわれています。
 また、古傷がうずくとは「古傷がうずくほど精が強い」という意味のようです。
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