丹波あかりの里農園

丹波あかりの里農園
 
 
呉田まどか(くれた まどか)さん(39 歳)
こだわりの水耕栽培野菜を届けたい
 
現住所 篠山市高倉(居住は丹波市山南町)
経営品目 水稲、葉物野菜(水耕栽培)、オクラ、一般野菜、栗
経営面積 107a、栗10 本
運営組織・体制  個人(スタッフ2名、アルバイト3名)
 
 
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呉田まどかさん(左)、呉田哲一さん(右)と、アルバイトスタッフの女性たち。
高校生から幼稚園まで5 人の子どもの子育てをしながら、農業を営む。
 
「子どものお弁当に入れるレタスくらい作ろう」軽い気持ちで始めた農業
 
-就農のきっかけを教えてください。
出身は東条湖のある兵庫県加東市です。「田舎がいやや」と大阪に出てきて働いていた時に、夫(大阪出身)と出会って結婚しました。祖父母は農業をしていましたが、自分自身はほとんど農業経験がなかった。なのに、23 歳で結婚し、大阪で子育てをしていた時、急に「畑でもやってみようか」と思い立ったんで
す。
子どもに幼稚園へ持って行かせる小さなお弁当に、ほんのひと切れのレタスを入れるために、都会ではレタスをひと玉買わなくちゃいけない。それがちょっと納得できなくて(笑)。そこで、持ち家の駐車場を一部つぶして家庭菜園を始めました。ところがやっているうちに、どんどん本気になってしまって「これじゃ私、物足りないわ。白菜とか大きいのも作りたい!」と(笑)。テレビで「田舎暮らし」の番組を見たのはそんなとき。しかも舞台は丹波篠山。「いいね!じゃ、とりあえず、一回行ってみてみる?」と夫婦で話して…それから週末ごとに丹波市や篠山市の不動産屋さんを訪ね歩く日々が続きました。
そして10 年ほど前、丹波市の方に家を借りることができ、3人目の子がおなかにいる時に引っ越しました。庭に付いていた小さな畑を耕し野菜を作り始めたら、今度はまわりに住む人が「そんなに好きなんやったら田んぼ貸すで」と声をかけてくれて、どんどん作付け面積が増えて行ったのもこの頃。子どもを
ベビーカーに乗せて畑に連れて行って、農業をやり始めました。
当時、自営業をしていた夫には、週末に大きな機械の作業をお願いして。ところが面積が増えてくると、週末だけの夫の手伝いだけでは作業を追い付かなくなってきたんです。だから「もう仕事やめて一緒に農業しようよ」と、声をかけました。夫も「確かにこれからの時代、建築業界じゃなくて農業だな」と彼なりに決心したようです。8年ほど前、二人で「丹波の里あかり農園」を立ち上げました。
 
 
 
寝る間を削って研究に没頭-自信をもって届ける「最高に美しいベビーリーフ」
 
-現在作られている品目とこだわりのポイントをお教えください。
 
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太陽光を浴びてすくすくと育つ水耕栽培の野菜たち
 
水耕栽培で無農薬の葉物を生産(篠山市高倉)したり、他にも野菜やお米を無農薬で作っています(丹波市山南町)。とにかく夫はビジネスマンでアイディアマン。ハウスを立てる時の資金のやりくりなども全て彼がしてくれました。「篠山ではまだ誰も本格的に無農薬の水耕栽培をしていない。だからしてみよう」と、事業方針を決めたのも彼ですし、もちろん販売先の確保も彼の努力のたまものです。当初からJ-GAP 認証(※)を取ったのも彼の先見の明があったから。
最初は「水耕栽培は楽」と聞いていたんですが、とんでもない(笑)。自分自身、「よりよいものをつくりたい!」という意識が強いからなのかもしれませんが、突き詰めてやっていったら、やっぱり簡単じゃないですね。何年間も夜もろくに寝ず、ずっと野菜に付きっ切りで研究を重ねました。そしてとにかく「太
陽光で育てる」「陽が陰ってから、夜に収穫する」ということを徹底しています。
「野菜が寝ている間にさっと収穫してしまい、気が付いたらお客さんの前に並んでいる」というイメージですね。そこまで徹底しているからこそ、うちのベビーリーフは2週間たっても全然しおれない。他の商品じゃ代替が利かないと納品先からも喜ばれています。
水耕栽培に対するお客さんのイメージはまだよくない部分があるんです。「これ水耕栽培? じゃ、いらないわ」というような方もいるんです。だからこそ、よりよい状態の野菜を届けたい。こだわりとプライドですね。水耕栽培のイメージをアップさせたいですね。
※JGAP 認証:JGAP は、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証です。JGAP は、農場やJA 等の生産者団体が活用する農場・団体管理の基準であり、認証制度です。農林水産省が導入を推奨する農業生産工程管理手法の1 つです。
(日本GAP 協会ホームページより)
 
 
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レタスのあかちゃん。これから植え替えが待っている
 
 
 
「一回行ったことある場所」 手に取ってもらうきっかけになる『丹波篠山』ブランド
 
-農業分野における丹波篠山の『価値』について教えてください
いま、毎週火曜日に大丸梅田店地下2階食品売場に出店しています。その他にも移動販売やその他の飲食店へも納品しています。
大阪だとみんな一回は「丹波篠山」に行ったことはある。そしてとてもよいイメージを持たれていますよね。黒豆も有名だし…ある意味ブランドがあるので、最初のとっかかりとしては、とても良いんです。「行ったことあるで、じゃ、一回買ってみようか!」と。対面での直接販売をするときには、それはとても大きなポイントです。
そして車で1時間ちょっとで阪神間に出荷できるというのも、かなりよい立地だと感じています。
 
 
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飲食店に納品予定のベビーリーフ。丹波地域にも納品先が広がっている
 
 
食べること、暮らすこと――範囲を広げながら、バランスよく続けていきたい
-今後の展望と、新規就農を目指す人にメッセージをお願いします。
認定農業者になったということもあるので、まずは水耕栽培のハウスを増やして生産量を増やしたいと思っています。次からは正社員さんも増やしたいです。夫が手続きを一手に引き受けてくれています。わたしはひたすら目の前の野菜をきっちり作ることを頑張っています。役割分担がうまくいっているのかもしれませんね。あと、夫が「農家民泊をしたい」と言い出していまして(笑)、いまいろいろと準備中です。これからも、家族と共に、どんどん新しいことにチャレンジしていく部分と、いままでと同じように地道に「きれいな野菜を作る」部分、バランスよく、健康的に、取り組んでいきたいと考えています。
本気で農業を生業にするのは苦労もありますが、うまくいったときの喜びも大きいです。新たに目指す方にもぜひ「本気」で農業に取り組んでほしいですね。
(2018 年9 月)
 
 

丹波あかりの里農園・呉田まどかさん インタビュー(PDF:472KB)

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