木造薬師如来坐像が市指定文化財に

 篠山市教育委員会では、平成26年8月22日付で善導寺(篠山市小多田)の「木造薬師如来坐像」を新たに文化財として指定しました。  

 「木造薬師如来坐像」は、仏師運慶(うんけい)の系統に属する慶派(けいは)仏師が鎌倉時代の13世紀に制作した貴重な作例で、かつ保存状態も良好で、各時代の遺品のうち制作が特に優秀であることから指定となりました。

 新たな市指定文化財としては、市制発足後4件目で、平成17年7月13日付で指定した「川端家住宅」以来9年ぶりの新指定です。今回の指定により市指定文化財は1件増え、全体で137件となりました。

 

木造薬師如来坐像 

 

 

1 指定の種別
 有形文化財(彫刻)

2 名称
 木造薬師如来坐像  1軀

3 形状
 善導寺本尊として祀られる像で、蓮華座上に結跏趺坐※1する。
 ヒノキ寄木造※2、像高51.5センチ

4 制作年代
 鎌倉時代前期(13世紀頃)

5 所在地
 篠山市小多田

6 所有者
 善導寺(ぜんどうじ)

7 由来・概要
 善導寺は山腹にあった興聖寺※3の旧仏である薬師如来を本尊として、文禄元(1592)年に創建したとする。善導寺の本尊である木造薬師如来坐像は、左膝上の掌に薬壺を乗せ、右掌を前方に向けて立たせ、左足を外に結跏趺坐する形をとる。切れ長の目で鼻翼の小さくまとまる整った容貌を示し、低い肉髻※4に大粒な螺髪※5をもち、腹部へかかる衣が穏やかに流れる。像高51.5cmで、ヒノキ材を用い、寄木造りで内刳り※6を深く丁寧に施し、玉眼※7を嵌入※8する。凛々しい表情を作り、広い肩幅から両手の構えを大きくとり、胸前から腹部のゆったりとした空間を持つなど、同様の特徴を有する全国の仏像との比較から、仏師運慶の系統に属する湛慶※9周辺の慶派※10仏師が鎌倉時代の13世紀に制作した貴重な作例と見なすことができ、保存状況も良好である。

 

※1 結跏趺坐(けっかふざ)

 仏教における坐法の一。あぐらをかき、左右のももの上に、反対の足を置き、足の裏をあおむけにして組むもの。

 

※2 寄木造(よせぎづくり)

 木彫仏の造像技法の一。頭部・胴身部からなる主要部を二材以上の木を寄せ合わせて造るもの。

 

※3 興聖寺(こうしょうじ)

   小多田の山腹にあった寺院。天正7(1579)年の明智光秀の丹波攻めによって焼失。言い伝えによれば兵火を免れた2体の仏像のうち薬師如来は善導寺、阿弥陀如来は真福寺(河原町)の本尊に迎えられたという。

 

※4 肉髻(にくけい)

   頭頂部にある一段高い盛り上がり。

 

※5 螺髪(らほつ)

   仏の縮れて右巻きの螺旋状をしている頭髪。

 

※6 内刳り(うちぐり) 

   木像の内部をえぐり空洞にする技法。乾燥による亀裂の防止、重量の軽減のために行われた。

 

※7玉眼(ぎょくがん)

   仏像などの眼に水晶などをはめこんだもの。また、その技法。

 

※8 嵌入(かんにゅう)    

  はめ込むこと。

 

※9 湛慶(たんけい)   

   鎌倉時代の仏師。運慶の子。洗練された温和な作風をもち、三十三間堂の千手観音などを造った。

 

※10慶派(けいは) 

   平安末期から江戸時代に至る仏師の一派。鎌倉時代に康慶・運慶 ・湛慶・快慶など、慶のつく名の仏師が輩出したことからの名称。

 


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安間家史料館 

 

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