篠山市長ブログ

集落営農型の法人こそ最後の砦(市長日記)

平成24年7月17日(火曜日)

 

 全国農業新聞に佐賀県唐津市在住の農民・作家 山下惣一さんの「集落営農型の法人こそ最後の砦」という文が掲載されていました。

 篠山市も、今年から担い手対策の大きな柱として、集落営農の取り組みをはじめています。

 ここに、紹介します。

 

集落営農型の法人こそ最後の砦

 農事組合法人「おくがの村」の設立25年の記念大会をやるので「遊びにきてや」と組合長の糸賀盛人さん(64歳)に誘われて出かけた。山陰の小京都と呼ばれる島根県津和野町の中心から20キロ。地名の「奥が野」が示す山奥に農家20戸、水田面積30ヘクタールの静かな里がある。ここが祝賀の舞台だ。

 昭和62年(1987年)に県下第一号として農事組合法人を設立し、現在19戸が参加して着実に歩みを進め四半世紀を迎えた。記念大会には内外から250人もの人が集まり盛大だった。一番驚いたのは地元の人たちだったのではないか。

 ここは組合長の糸賀さんのリーダー牽引型の法人だが、彼は昔から「集落営農型の農事組合法人」を主張してきた。目的を集落の永続性、全員参加に置いているからで、ま、いわば集落の延命装置、最後の砦。一人の脱落者も出さず、全員で生きていく共生、協働を理念としている。そのために法人を大きくしない。農地を集め法人を大規模化すると多くの家が農業から離れ、さらに人が減りやがては農道、用水路などの維持管理などすべてが法人の肩にかかり法人も立ち行かなくなる。だから必要な作業だけを法人が受け持ち、水管理・草刈りなどは各自で行い、糸賀さんが唱えるピンピン生きてコロリと死ぬ「PPK」を全員で目指そうというわけだ。法人が集積している面積が6ヘクタールに対し作業受託が60ヘクタールという数字がそれを物語っている。ソバ、ケール花などを取り入れ、菜種油でトラクターを動かし、若手も育ち子どもも増えた。

 私は昔カリフォルニアで日系農場主たちにいわれた言葉を思い出した。「日本がアメリカと同じ農業を目指すなら絶対に、永久に勝てない」というので「ではどうすれば」と問うと、「日本の農村は世界に類のない運命共同体だ。これを土台にした日本独自の道しかないのではないか」その道のひとつを見た思いがした。

 

『全国農業新聞』7月13日(金曜日)掲載

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